一般社団法人 Harmony for JAPAN は東日本大震災で被災された地域の合唱活動に特化して、復興支援を進める社団法人です

理事 永井英晴 (合唱指揮者)

理事 永井英晴(合唱指揮者)

 2016年3月で5回目を迎える復興支援コンサートは、東北のことを思う関西の皆さんと、私たちは元気ですよと笑顔ではせ参じてくれる東北の皆さんが「歌う」ために集まる、従来とは全く違う演奏会です。音楽の喜びを享受するだけでなく、東日本に寄せる思いが集まり、チャリティーにつながります。そのチャリティーで東北の合唱団を支援し、また、翌年に東北の合唱団を長岡京のコンサートに呼ぶことができます。合唱の力はすごい、あらためてそう感じています。
 願いは、東北の地に合唱、歌声がとにかく戻ることです。支援をしたいという思いを持つ人がたくさん集まって、たくさんのお金が集まり、復興に役立つことができればと思います。

「合唱」で、東北を支援する

 東日本大震災から受けたダメージの大きさに、本当にショックでした。そして、その影響は身近な合唱の仲間にも及んでいました。京都産業大学グリークラブでいっしょに歌っていたメンバーが気仙沼で魚屋を営んでいました。震災から数日後にやっと連絡がとれ、無事な様子に胸をなでおろしたのですが、家も何もかも流されたとのこと。彼は、気仙沼でコーラスを続けていたのですが、もちろん、そんな状況ではありません。いつ再開できるのだろうか…合唱ができないなんて‥そう思うと胸が痛くなりました。また、合唱の指導をしている岐阜大学コーラスクラブにも宮城県や岩手県出身のメンバーがいて、みんなで心配していました。
 もちろん、募金は行っていたのですが、東北に足を運ぶこともままならない中、「何かが足りない、こんなことでいいのか」と、焦燥感がつのるばかり。
そういった心境の中、2011年の秋に吉田代表から、「東北のために合唱で何かをしたい」とチャリティーコンサートを立ち上げる話がありました。「合唱で」その言葉に、大きく気持ちが動き、とにかく運営に加わりました。
 2012年3月11日、東日本大震災が起こったその日に、長岡京記念文化会館と同志社大学寒梅館の2カ所でコンサートを開催したのですが、その反響の大きさには驚きました。作曲家や指揮者といった音楽関係の皆さんからも力を寄せていただき、その手ごたえで、来年もぜひやろうということになりました。こうして、復興支援コンサートがスタートしました。

笑顔で元気を届ける東北の仲間と、思いを寄せて迎える関西の仲間

 コンサートは集約して行った方がいいのではないかということで、2回目からは会場を長岡京記念文化会館に一本化。関西の合唱団と東北合唱団の演奏に合同演奏と盛りだくさんな内容で、2日間にわたる開催です。東北のことを思う関西の皆さんと、私たちは元気ですよと笑顔ではせ参じてくれる東北の皆さんが「歌う」ために集まる、従来とは全く違う演奏会。音楽の喜びを享受するだけでなく、東日本に思いを寄せることが加わった場が生まれ、チャリティーにつながる。そのチャリティーで東北の合唱団の支援ができ、また、来年、東北の合唱団を呼ぶことができる。合唱の力はすごい、あらためてそう感じています。
 2年目、3年目、4年目と続ける中で、訴求力が弱まっていく気配を感じ、2016年の5回目では、人が集まらないのではないかと危惧していましたが、40団体を超えるエントリーがありました。合唱の仲間は、東日本大震災を忘れずに、東北の合唱の仲間に思いをはせてくれているのだという手ごたえをしっかり頂きました。時間をどうやりくりしようかとうれしい悲鳴を上げています。2016年もまた、東北の中高生の歌を関西で披露することができるし、彼らの元気な姿を見ることができます。たくさんの人に聞きにきてほしいと思っています。

「合唱」という術(すべ)で、東日本大震災に抗う

 こういったコンサートがやらないですむようになればとは思うのですが、大熊、小高では、今も全町避難が続くなど、地域によって大きな差があり、先がまだ見えていない状況ではないかと思います。
 あのような震災がおきなければ、こういった組織は、そしてこのようなきずなは生まれなくて。あの震災を運命と呼ぶことが許されるならば、それによって合唱が私たちを結びつけたことも運命。ハーモニー・フォー・ジャパンにそういった宿命的なものを感じます。ですから、「ハーモニー・フォー・ジャパン」というタイトルを重く受け止めています。合唱をやり続けていてよかった、心から思います。東日本大震災という試練に、合唱という抗う術(すべ)を与えてもらったのですから。
 願いは、東北の地に、合唱、歌声がとにかく戻ることです。支援をしたいという思いを持つ人がたくさん集まって、たくさんのお金が集まり、復興に役立つことができればと思います。こういった組織で活動させていただき、東北の人たちとつながりができることが限りない喜び。これで、2016年も実行委員長を引き受けています。

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